姉妹関係の困難
テレビ朝日『ワイドスクランブル』で、次の事件をもとに、三姉妹の関係性の難しさをお話しさせていただきました。
【45歳の姉殺害容疑で妹2人ら逮捕、自殺装う】
今年5月に亡くなった45歳の女性。自殺とされていたのが一転、殺人事件になりました。しかも逮捕されたのは女性の2人の妹でした。
31日午前8時半ごろ、捜査員に連行される東京・足立区の自営業・江川悦子容疑者(43)。姉の弘子さん(当時45)を自殺を装って殺害したとして警視庁に逮捕されました。江川容疑者は三女で無職の小杉山真由美容疑者(37)と江川容疑者の交際相手で会社員の深沢薫容疑者(44)とともに、今年5月3日、自宅で姉の弘子さん(当時45)の首に果物ナイフを突き刺したうえ、ベルトを巻きつけて窒息させ、殺害した疑いが持たれています。
死亡した弘子さんと江川容疑者、そして小杉山容疑者は3姉妹で、江川容疑者は弘子さんと同居し深沢容疑者と交際していました。当初、江川容疑者らは弘子さんの死亡について、警察官に対し、このように話していました。
「姉が玄関で自分の首を刺しました」(江川容疑者)
また、自宅には「死にたい」などと書かれたメモが残されていました。当初は、自殺とみられていたのです。
「(弘子さんは)おとなしい人。長女(弘子さん)が病気のため保育園の送迎とか行事に出てこられない。妹さん(悦子容疑者)が母親代わりとして来ていました」(近所の人)
しかし、その後の警視庁の捜査で数々の不審な点が浮かんできました。
【通報まで数時間】
「人が死んでいる」と110番通報があったのは日付が変わった5月4日の午前0時半頃でした。
「江川容疑者らは弘子さんが死亡した後、一旦、自宅を離れ、その後、再び戻って通報したということです」(記者)
【話の内容が曖昧に】
当初、弘子さんが自殺したと話していた江川容疑者ら3人。警視庁の事情聴取に対し、「よく思い出せない」などと、徐々に話す内容が曖昧になっていったということです。さらに、警視庁が弘子さんの司法解剖を行ったところ、主な死因は首を圧迫したことによる窒息死だったことが分かり、江川容疑者らが殺害に関わった疑いが強まったということです。
「姉は亡くなりましたけど、殺意はありません」(江川容疑者)
取り調べに対し、このように供述しているという次女の江川容疑者。三女の小杉山容疑者も「私は何もやっていません」などと容疑を否認しています。警視庁は当時の経緯や犯行の動機について詳しく調べています。(31日17:36)
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殺害にまで至るのは稀なことですが、それぞれの家族において、女性の姉妹というのは、男性の兄弟関係よりも複雑です。
幼い頃に、明確な上下関係があるのは男女とも同じです。
5歳の長男は走るのも早く、2歳、3歳の弟たちは賢明についていきながら、「長男にはかなわない」と幼心に知って、自分より優れた長男より異なる面で自分のポジションを確立しようと(男の子ならでのプライドでもって)がんばり、ときには道化を演じることで幼いながらも、長男とは異なる面で母の愛を得ようとします。
長じて、たとえば兄弟が45歳と42歳になったときには、それぞれが社会的に置かれたポジションをお互い認め合い、あまり口出ししないのが男兄弟のおおまかな特性です。
姉妹の場合は、兄弟と異なります。
女の子の場合は、5歳の長女は言葉も達者でもちろん走るのも早い。2歳、3歳の妹たちは、姉に守ってもらおうとします。姉妹関係では兄弟のように競うことをしません。母親は、長女に対して妹を守るよう伝え、ときには母親と同等の能力を長女に求めるため、長女はおのずと優秀な女性に育ちます。
兄弟と一番異なる点は、母親が(自分と同性であるがゆえに)姉と妹をどこかで比べる面があることです。息子の場合は、母親と性が異なるため、母親から息子たちへ無意識の遠慮がありますが、娘たちには遠慮なしです。その母親の下で育つ長女は気の毒です。。世の中で、長女ほど生まれながらに困難を背負う存在はないのではないかと感じるほどです。
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