舞台『安部公房の冒険』新国立劇場
『安部公房の冒険』圧巻です!佐野史郎さまの素晴らしい長セリフはもちろんのこと、「愛人」に対する彼の言葉の発声と抑揚が「妻」に対するそれと異なり、でも長年愛人と愛人生活を続けるうちに、愛人への言葉が妻のそれと同じになることで時間の流れと男女関係の機微を見せてくださる。
縄田智子さまは、女子大生から40歳までの成熟を見事に演じきられていましたし、以前より線がくっきりした素晴らしい女優さんになっていらっしゃいます。物語の最後に彼女が発する「声」に泣きました。
彼女の声を受けて内田明さまのセリフがはじまり、自信に溢れた強いセリフなのに、さらに泣けてきます。「人間ていうのは、、、」。ーーそういえば、内田さんの立ち姿が以前よりさらに美しくなっていらっしゃいました。
4人きりの役者が三者三様(四者四様)に物語を演じますが、「妻」役の辻しのぶさまは出番は多くないのに、まるで彼女が舞台を回しているかのような存在感で、鳥肌が立つほどの感情を見せてくださいます。
舞台より前に台本を読ませていただき、Yoshinori Matsugae氏と対談させていただきました(劇場パンフレットに掲載)、そのとき「場面転換」が心配でしたが、舞台はシンプルかつ見事な手法で転換されていて、うぅむ!と唸ってしまうほど。場面を行き来する佐野さまとライトと絨毯が見事です。
「安部公房の冒険」
・新国立劇場小劇場にて
・2014年8月23日から8月31日まで
・演出:荒戸源次郎
・脚本:松枝佳紀
・出演:佐野史郎、縄田智子、辻しのぶ、内田明
・開場時間:上演時間は90分です。
・詳細はこちらから
http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=45038
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