芸能人の別居について(布川さん?
テレビ朝日『グッド!モーニング』
布川さんとつちやさんの別居、不倫疑惑?についてコメント出しました。
ーーー以下あくまでも一般論です。上記テレビ番組でお話した内容とも異なります。お二人のことはテレビで見たことがあるだけで面識ございませんし、離婚相談も受けておりませんため(離婚相談を受けた人のことは一切口外いたしておりません(^ ^;)ーーーメディアで見るお二人の経緯から喚起された一般的な別居について感じたことを書き留めておきます。
お二人の間には三人のお子さまがあり、今から1年半前、布川氏がロケに出ている間に末子を連れて妻つちやさんは家を出て別居しています。
「話しあいはなかったんですか?」とのリポーターの質問に答えて、布川さんは「ありませんでした。離婚というのも初耳でショックを受けている」という主旨の答えをなさっています。
一般的に、別居について話し合いを行う人はほとんどありません。
いつ出ていくか、なぜ出ていかなければならないか、出て行くとき家具は何を持ち出すか、子供の処遇はどうするかーーこういった話し合いはとてもデリケートかつ大胆なことですので、ふだんのコミュニケーションが穏やかにうまくいっているご夫婦でなければ行うことはできませんし、ふだん穏やかな関係にあれば別居しませんので、本末転倒でもあります。
(まれに、穏やかな関係のご夫婦が別居なさる場合もあります。一緒に暮らしているとき穏やかな関係であったのは、二人が争いとならないよう一方がとても気をつけて過ごし、気をつけていた側がどこかのタイミングで相手に見切りをつけて別居なさる場合です)
別居の話し合いを行うと、どうなるでしょう。
たとえばーー
「子供の夏休みに合わせて家を出ようと思う」
「家を出て行くなんて許せない。なぜ出て行くのか?」
「あなたと一緒に暮らすことはできないから出て行く」
「そんな理由では理解できない。分かるように話してほしい」
「説明しても分からないから出て行くことになる」
「無責任すぎる」
「なんと思われてももう出て行くしかない。家具は少しだけ運びだす」
「家具は家に合わせて買ったものだから持ち出すのは許さない」
「子供を連れて出ていくから家具がないと不便」
「子供を連れて出ることは許さない」
ーーーといった会話になりかねません。これは、男女(夫と妻)を入れ替えても似たような会話になります。
こじれてしまうと、思い通りにならないことに苛つき、暴言暴力へとエスカレートする場合もあります。
別居(引越し)の日を相手に伝えてしまったために、激怒した相手が引越し当日、持ち出そうとしていた食器を投げつけて割り、ノコギリを持ちだしてテーブルを切りはじめ、引越し業者は梱包を諦める事態となる方もあります。
つまり、別居についての話し合いは不毛であるということですね。
一方が他方とともに暮らすことができないと判断したときーーその判断は、昨日今日のことではありません。過去何年にもわたって悩み苦しみ、子供のためにとどまろうと努めた結果、その努力に応えることのできない相手に愛想をつかして、ともに暮らすことができないと判断したわけですのでーーその意志を覆すことは困難です。
「自分に至らないところがあれば反省する、やり直したい」と言われても、そのときだけの反省ではないかと(夫婦には過去の蓄積があるため)信頼してもらうのも難しいことです。
そもそも、「自分に至らないところがあれば」という前置きこそが、相手が抱えてきた不満や不安の原因が自身にあることに無自覚なあらわれであり、「自分のせいではないが、ここはひとつ『至らないところがあれば』としておいたほうがいいかな」みたいな心まで透けて見えかねません。
妻が家を出る理由が分かる夫は、妻から捨てられることはありませんし、
夫が家を出る理由が分かる妻は、夫から捨てられることはありません。
多くの場合は、相手が家を出ても理由に気づくことがないだけでなく、相手が今まで抱えてきただろう悩み苦しみを想像することすらなく、「家を出た相手が悪い」と決めつけがちです。
「別居する」と言葉にしたり書くことは簡単ですが、現実に行う別居はさまざま困難があります。
定収入を持つ人であれば、賃貸物件の契約も生活費の心配もありませんが、不安定な職業あるいは無職であれば賃貸契約ひとつ結ぶのも困難(そのため、妻から別居するときは妻の実家へ帰るケースが増えます)、子供があれば、転校の手続きだけでなく、子供のお友だちとの関係、保護者同士の関係も絡んできます。
別居は安易な気持ちではできません。さまざま起こる困難や面倒を引き受ける覚悟を決めて行うのが別居です。
奇妙な表現ですが、いっそ「離婚」で家を出るほうがよほど楽なことかもしれません。離婚であれば世間も壊れた夫婦として見なしてくれるため家を出ることを責められませんが、離婚前に家を出ると、家を出た側は「離婚もしないのになぜ一緒に暮らさないのか」との視線を受け、家に残った側は「配偶者が帰って来ないのになぜ放置しているのか」という視線まで受けかねません。双方が不愉快で苦しい思いを抱えます。
夫が悪いわけでも、妻が悪いわけでもないでしょう。
別居した夫婦(一緒に暮らすことを受け入れられない人、取り戻す努力をしてこなかった人)は、離婚なさるのが自然ではないかしら。
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二十年以上も前からご夫婦・ご家族のご相談をお受けしてきて、離婚の本も数冊出させていただいています。私