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50代以上のDV被害男性が多い理由

公開日: : ブログ, 恋愛と結婚と離婚

山口県で、56歳女性が66歳男性を暴力で殺害した事件が起こりました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140613-00000003-mai-soci

DV(ドメスティック・バイオレンス)といえば、か弱い女性が男性からの暴力を受けることをイメージする人がほとんどだと思いますが、現実には、女性から男性への暴力行為も多く行われています。

厚労省統計では「DV男性被害者の相談件数が増加している」とありますが、「相談件数が増加」しているのであって、「男性被害者が増加」しているのではありません。つまり、DVによる男性の被害者は以前から多くありましたが、「僕は彼女から殴られている」と訴え出ることが憚られる日本の社会背景があったものが、時代の移り変わりによって、男性も被害感情を外に伝えることができるようになったという意味です。

伝統的に行われてきた女性から男性へのDVで顕著なものは、「介護」の現場で行われてきた暴力です。
それまで仕事中心で家庭を省みなかった夫、あるいは過去に夫の浮気があり悲しい思いをしてきた妻、夫の暴言暴力に耐えてきた妻たちが、リベンジとして介護の現場で彼らに暴力暴言を行うことが多々みられました。
要介護状態にある彼らは被害の訴えを起すことはできませんため、見えないところで行われてきた妻からのDVといえます。

今まで3万件を越えるご相談をお受けしてきた私のもとへ寄せられた男性被害者の声も「老老介護」の現場からではなく、現役現職の男性からで、おおむね次のようなものです。

「妻が待つ家に帰るのが怖い」
「一緒に暮らすのが危険だから単身赴任願いを出した」
「子供のことを思うと妻から逃げることができない」
「妻からの暴力を受けていると、恥ずかしくて人に言えない」
「妻からの暴力があると知られると自分の出世がかなわなくなる」
「妻からの暴力を親戚に知られると、親戚つきあいできなくなる」
「どうすれば彼女からの暴力を止められるだろう?」

残念ながら、妻や恋人女性からの暴力を止める方法はありません。未然に防ぐこともできません。
DVは、一度始まってしまうと、暴力の内容も頻度もエスカレートするという特性を持っています。
どうすればいいか?
その答えは、「逃げる」ことです。
逃げることでは解決にならないとおっしゃる方もありますが、残念ながら、それはDVをリアルにご存知ない方の発言です。
暴力が行われている家に同居し続けることは、「暴力を容認する」ことに他なりません。
「暴力をふるうのであれば、一緒に暮らすことはできない」と明確に伝えるために、まず別居の選択を行い、お互い冷静な状態になってから(加害者だけでなく被害者も暴力の中にいると精神的に混乱していますので)その後、安全な場を設けて話し合いを持つことが「暴力の解決への入口」です。暴力が行われている家の中に同居したまま話し合いを行うのは危険ですし、また、解決への入口にすら立つことができないと知っておいていただきたいと思います。

DV被害を、男性が外へ訴えるための社会的システムは徐々に整えられはじめています。
現在は、男性被害者相談を、男性相談員が受けるといった岡山県の取組み等もありますが、男性が、女性から(しかも一番身近で信頼できるはずの女性から)暴力被害を受けていると他者に伝えるには大きな勇気が必要です。
その勇気は、彼ら自身の中にある「価値観」を乗り越えるための勇気でもあります。

DV被害相談にいらっしゃる男性の多くは50代です。
結婚当初から妻の暴力に耐えていた、子育て期間中には経済的搾取にも耐えていたとおっしゃる男性がほとんどです。
彼らが50代まで忍耐を続ける理由は、「子供の学費は父親が責任を持たなければならない」「子供の成長に父母が必要」「別居や離婚によって自分の出世が制限される」と、彼らが彼ら自身に言い聞かせてきたからでもあります。したがって、子育てを終え、学費がかからなくなり、自身の出世もおよそ予測のたつ50代まで外に語ることができないまま苦しい思いを抱えていらっしゃいます。

本来、自分の家というのは、世界中のどこよりも安心できる安全な場です。
そこに一方から他方への一方的な暴力が行われるということがあってはなりません。「子供のために我慢した」とおっしゃる方もありますが、ご自身の価値観だけでなく、両親の暴力を見ながら育つ子供の気持ちも想像していただきたいとお願いします。
この度の事件(次の記事)では、亡くなった男性を心から気の毒に想いますが、ーー婚姻中ではなく交際中の男女で、男性被害者に対して女性加害者に「接近禁止命令」が出されていたとの報道によって、男性も自らの被害を外に伝えていいのだと知ることができ、被害者の救いとなることだと思います。
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<殺人>交際相手を殺害容疑…56歳女を逮捕 山口県警

毎日新聞 6月13日(金)1時31分配信

 DV(ドメスティックバイオレンス)防止法に基づき接近禁止命令を以前受けていた女が、交際相手の男性を暴行し殺したとして、山口県警は12日深夜、広島市南区東雲本町3、無職、西村多津(たず)容疑者(56)を殺人容疑で逮捕した。

逮捕容疑は10日夜から11日早朝までの間、山口県岩国市立石町2、建設作業員、米満清一さん(66)方で、米満さんに殴る蹴るなどの暴行を加え、左肺挫傷や多発肋骨(ろっこつ)骨折などで死亡させたとしている。西村容疑者は「死ぬとは思わなかった」と殺意を否認しているという。

県警によると、2人は3、4年前から交際や同居を繰り返していた。西村容疑者による暴力があり、米満さんが岩国署に2012年1月から5回にわたって相談。同署は13年10月3日、西村容疑者を米満さんへの暴行容疑で逮捕し、裁判所が西村容疑者に接近禁止命令を出した。今年4月の期間満了後、同署に対し米満さんが「(西村容疑者と)たまに会っているがもめていない」と話したため命令の再申し立てはされなかったという。【柴山雄太、杉山雄飛、大山典男】

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