ベッキー「金スマ」
5月13日、「金スマ」でベッキー氏がテレビ(ロケ)出演。それを受けて、番組放送終了後のAbemaTVで、芸能デスクとメディア論大学教授と私が電話で生出演しました。
今回の「金スマ」放送は関心をもって拝見しました。
ベッキー側が開いた謝罪会見では一切の質問を受けず、文春記事ではインタビューではなく「手紙掲載」というかたちをとったベッキー氏がご自身の言葉で語るか、と思われたからです。
1月6日の謝罪会見を経て活動自粛していたベッキー氏が、あの会見ではウソをつきましたと、中居さんの問いかけに答えて認めたわけですが、それはそれは細やかに気遣い、ときには制止し、ときには先回りして、心を尽くして質問する中居さんが気の毒に感じられるほどでした。
今回気にかかった主な点は次の通りです。
川谷さんのことを「男性」と繰り返し呼ぶ違和感がありつつ、男性のことを「すごく好きでした」と涙した後1分も経たないうちに「もう好きじゃないです」とすっきり語り、すでに終わったと強調。でも、そうなのでしょうか。私は今まで多くの方々のご相談をお受けしてきましたが、妻があると知って(途中で知っても)、それでも好きだという気持ちを抑えられなくて密やかにつきあうこともあります。
不倫はもちろん推奨できませんが、既婚者に恋をしてしまう、あるいは自らが結婚しているにもかかわらず配偶者以外の人を好きになってしまう、そういうことってあるんですよね。その切なくて苦しい気持ちをほんの1〜2ヶ月ですっぱり切り捨てることができるのでしょうか。将来の結婚までイメージするほど愛した心はそれほど簡単に割り切れるものではありません。不倫した彼女たちの、その苦しみにも私はずっと寄り添ってきました。
なかには、仕事のじゃまになったから別れた、という方の場合にはすっぱり切り捨ててしまいますが、なんとも、しっくりこないものではあります。
ベッキー氏は、文春の記事を読んで「夫婦関係は破綻していたと聞いていたのに、奥様の気持ちは『男性』にあったと知り、相手の立場に立って物事を考えることができなかった」と涙なさいましたが、どうしても奥様への謝罪はすると言う。
番組ロケ時にまだ謝罪は成立していませんでしたが、奥様が望んだ「川谷氏を含む3人で会う」ことは断り、ベッキー氏が望んだ通り「奥様と2人きりで会う」謝罪を、ロケ終了数日後に行う予定(ロケ時には謝罪日は決まっていなかったようす)。
一般論ですが、「夫が浮気した」ことによって苦しく情けない気持ちを抱えた妻たちは、浮気相手女性と2人きりで会っての謝罪など求めたりしません。(まあ、ドラマのように「この泥棒猫!」と頬を叩くのを望むなら別ですが・・・)できれば浮気相手女性などとは会いたくもない、かかわりたくないというのが彼女たちの正直な気持ちです。が、仕方なく応じざるをえない場合もあるかもしれません。でもそれは、謝罪側が「相手の立場に立って考えていない」からこそ「自分が行わなければならないと思っている謝罪を行う」という、謝りたい自分の都合を優先したものではないでしょうか。
ご相談者様の中には、浮気相手から乞われるままに2人で会って、子育てや加齢で肌荒れし短く切ってしまった自分の爪と浮気相手女性の華やかなジェルネイルを見比べてあらたな悲しみを覚え、また、きちんとスーツを着て浮気相手女性に会いに行ったのに、彼女はスタイリッシュでラフな服装で来ていたことに失望したとおっしゃる方もあります。
浮気相手女性と会って、「若さ、美しさだけでなく、『あなたの夫が惹かれたのは私なのよ、でも謝るわ』と言われて、恥ずかしくて情けなくて死にたくなった」とおっしゃった妻もあります。
謝罪してスッキリするのは、それを行った側だけです。たとえば、浮気した夫が、妻に対して謝った後、「謝ったんだから許して当然。頭を下げたのに許さないとは了見の狭いイヤなヤツだ」と言う場合もあります。謝って許されるものとそうでないことがあります。それが、相手の立場に立って考えることのできない彼らには分からないようです。公的な謝罪とは異なります。私的な謝罪の強要はときに自己満足で終えることがあります。とても残念です。
この度のベッキー氏の騒動の本質は、「不倫したこと」ではなくて、明るく元気な優等生だと思われていたベッキー氏が、人に見えない「LINE」ではあんなことを書くんですか!?、、、という驚愕と失望です。
ベッキー氏の復帰を阻むものではありませんし、不倫自体を責めているのではありません。不倫された側の妻だけでなく当事者となってしまった人たちも混乱し苦しむことを知っていますから。ただ、一組の夫婦が離婚したという事実だけが残ります。
【追記】
この記事は、「不倫」の是非を問うものではありません。
不倫は、それを受け止める立場によって異なります。独身の立場で既婚者と不倫した人、既婚者が独身者と不倫した人、既婚者同士で不倫となった人、配偶者に不倫された人、自身の親が不倫した人、不倫とまったく無縁の人生を歩んできた人、それぞれいずれの立場にいらしても「不倫」の受けとめ方は異なり、それぞれに苦悩を抱えます。
ベッキーがブログで謝罪
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