ベッキー問題を考える
発売中の週刊誌やテレビ番組等でもコメントしましたが、この度のベッキーの件は(既報内容の詳細省略)、彼女が公的にマジメで品行方正だからこそ起こったことでもあると私は感じています。ところが私的な「LINE」での発言は失望するものでした。
マジメだからこそ、「妻とうまくいっていないんだ」という言葉をそのままに信じ(注:結婚している男性が女性をくどくとき、「僕と妻と仲良しなんだよ」という男性は皆無です)、「離婚したい」という男性を助けてあげたい支えになりたい、と考えるのはマジメだからこそです。さらにいえば、「私は彼を支えることができる」と思うのは努力家だからこそでもあるといえます。
かりに遊び慣れており不倫慣れしている女性であれば、LINEのメッセージなど自分も相手もすべて削除し(注:男性はその点疎いところがあるため、不倫慣れした女性の側が男性に指示して送信時・既読時それぞれ削除させます)、万一他の人に2人でいるところを見られたときのイイワケ文言まで考えて不倫している女性はかなりの数いらっしゃいます。不倫慣れしている人は「2人の思い出」など残さず、その瞬間刹那を楽しみます。
つまり、マジメで品行方正なベッキーは不倫慣れしていなかったということですね。
とはいえ、今後のベッキーは前途多難です。いくら彼の楽曲のファンだったとはいえ、既婚者であることを隠してつきあいはじめる男性などとかかわってしまったのがベッキーの不幸です。(たとえばブラッド・ピットとの不倫疑惑であれば彼女の株を上げる方法もあったのですが、いかんせん、不倫疑惑のスタート時においてはベッキーのほうが彼より明らかに格上でした、、、)こうなると、マジメで品行方正だったことが逆に徒となります。このままでは、将来件の彼と結婚(再婚)することになったとしても祝福を受けることは少なく、正妻となったのになぜか日陰に置かれたかに感じる 同様のプロセスを経た女性を多くみてきました。
かたや、ゲスの極み乙女。川谷氏にとっては、今回の騒動すべてが彼にとってプラスに働きます。有名な楽曲だけどバンド名は知らなかったという方もバンド名を憶えましたし、新曲を多数のマスコミが取材しました。ラジオやテレビで新曲が多数流されるのも通常のプロモーションとは異なる力が働いてのことでしょう。バンドにもプラス要素ばかりです。
また、彼を一人の男性として考えると、今後彼は離婚しなくても離婚しても再婚しようが、有名タレントのベッキーと親密な関係にあったというのは男性としてステイタスでもあります。彼がベッキーから離れて妻の元へ戻れば「有名タレントではなく、最後は糟糠の妻を守った素晴らしい男性」ですし、離婚してベッキーと再婚するのであれば「困難な離婚を経て愛を貫いた素晴らしい男性」となります。どちらでも問題ありません。
根底には、いわゆる「トロフィーワイフ症候群」に近いものがあります。
苦労した時代を支えた女性があっても、その後有名になり経済的にも潤うと、男性は自分にトロフィー(ご褒美的なもの)を与えるかのように、ビッグネームの女性(トロフィーワイフを若くて美しいだけの女性を指す場合もありますが、現在は、「男性の自己顕示欲を満たすビッグネームの女性、成功した女性」をトロフィーワイフとする)を求め、苦労した時代を支えた妻は置いてけぼりにされてしまいます。本気で離婚するのであれば、妻に対して多額の慰謝料は発生しますが(慰謝料の相場は300〜500万円ですが、現金だけでなく、たとえば謝罪の意味を込めて家を購入するとか、離婚後の一定年数を生活援助金として継続して支払う等して)、離婚はいずれ成立します。
この先、ゲスの極み乙女。川谷氏が、「俺なんて、所詮ゲスの極みですから」などと開き直ったコメントをしてしまうと、マジメなベッキーの言動だけが浮いてしまい、さらに気の毒なことになってしまいます。これは、アーティストとタレントの違いでもあります。
彼が自己保身だけでなく、妻の立場を慮り、かつベッキーの立場も守ってあげられるような言動を取ることができれば一流の男性です。
ベッキーの失敗は、不倫ではなく、謝罪会見での言動が失敗ではなかったでしょうか。
今は、男性の不倫だけでなく女性のそれも多いですし、既婚男性と一時期おつきあいしたことのある女性はかなりの数いらっしゃいます。だから、不倫があったとしてもそれ自体を繰り返し責めたりはしません。それよりも、謝罪会見での言葉に「演じている」感が見られたことが多くの女性が引いた遠因となっているのではないか。
憔悴したベッキーを見たいとファンは思いません。明るく可愛いのがベッキーの魅力ですので、
「おつきあいしたら皆から叱られるとわかっていたけど、川谷さんのことを本気で好きになってしまいました、ごめんなさい」と正直に頭を下げる。つまり、彼を大好きになってしまったとの「乙女心」を前面に出すことで、誰もが心の中に秘め持つ乙女心を刺激し、ある程度の共感を得られたのではないでしょうか。既婚男性を好きになったことのある女性は自身の中に思い出すこともありますし、「いけないこととは分かっていても好きになっちゃったんです、ごめんなさい」と言われて(他人事とはいえ)悪い気はしない既婚男性も多くいらっしゃるでしょう。
しかし、今さら謝罪会見のやり直しはできません。
今後ベッキーがどのように行動すればいいかといえば、ひとつの方法として「海外留学」をし、自分自身を見つめ直すというスタンスを取ることです。英語力のブラッシュアップもできますし、なにより、外国という遠い土地へ離れることによって、川谷氏の離婚のジャマとなりません。今後、川谷氏が本気で離婚するのであればベッキーが近くにいることが最大の障害になります。好きな相手だからこそ、はやる心を抑えて距離を取ることが大切な時期もあります。
(※)たとえば、傷心のベッキーは海外留学し、自分を見つめ直す時間を持つ間に川谷氏が離婚を成立させる。そのためには多額の金品を妻に支払う必要があります。現状では妻にいまさら謝罪しても妻側の怒りが収まるわけもありませんので、慰謝料(ごめんなさいの代わりのお金)を多額にするしか方法はありません。離婚には川谷氏側の誠意ある努力が必要です。妻側の気持ちをいえば、「私が離婚すれば二人が再婚する」と思われる離婚に易々と応じられるものではありません。
さまざまあって川谷氏の離婚が成立した後、ベッキーが帰国し、川谷氏との結婚報告あるいは妊娠報告を行うーーーというのが、ひとつの着地点として考えられます。結婚し子供を持つことでベッキーのタレントとしての評価もまた上がるでしょう。
いずれにしても、ベッキーは誰かにきちんと守られなければ自身を保てなくなります。彼女が支えられることなく精神的に不安定になったあげく事件等が起こると同情をかうどころか、既婚女性すべてを敵にまわし、男性もかかわりたくないと感じる結果となりかねません。今はいずれタレントとしてやり直しができますが、これ以上のことが起こった場合は、さまざま難しくなります。
今回の騒動は、30代女性に不倫疑惑が起こると大変な事態となると警鐘を鳴らす役割を果たしました。現在不倫をなさっている独身女性はお気をつけくださいね。
また、もう一つの方法は、ベッキーと川谷氏が「別れる」こと。
川谷氏がどの程度ベッキーを愛しているかがはかられることでもありますが、「愛しているからこそ今は別れる」という選択肢もあります。それによって、川谷氏から捨てられたベッキーに同情票が集まる。
そのうえで、川谷氏は離婚し、−−−−以下、(※)に同じ。
ーーー写真は、教鞭を執る八洲学園大学(横浜)の、私の研究室で撮ってみたものです。高い階に研究室をいただいているので美しい夜景を楽しむことができますが、うまく夜景が写りませんでしたーー(なんて、のんきに話している場合ではありませんよね。当事者のどなたでも構いません、このような事態となる前に私のところへご相談に来ていただければよかったのになあと思います。当事者三者三様さまざま困難な状態が続くことが予測されます)
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