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DV夫を妻が刺殺ーー土浦

公開日: : 最終更新日:2014/09/15 ブログ, 恋愛と結婚と離婚

夫を刺殺容疑=旅館経営の妻逮捕—茨城県警

時事通信9月14日(日)12時27分
 自宅を兼ねた旅館で夫を刺殺したとして、茨城県警土浦署は14日、殺人容疑で同県土浦市神立東、旅館経営平野悦子容疑者(47)を現行犯逮捕した。容疑を認め、「酔って帰宅した夫から暴力を受けた」という趣旨の供述をしているという。
逮捕容疑では14日午前4時15分ごろ、経営する「ビジネス旅館常陸」の管理人室で、夫の一さん(46)の胸などを包丁で複数回刺し、殺害した疑い。[時事通信社]
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3人の子どもを持つ母親が、「お母さんは30年間ガマンしてきた」とわが子に伝えて後、酔って帰宅した夫を包丁で刺し殺した。

なにも殺さなくてもと思われる方もあるかもしれませんが、DV被害者の話を繰り返し聴いてきた私には、彼女の心情が痛いほどわかります。中学の同窓生である彼と結婚するとき妻の両親から反対され、いわば勘当されたかたちでの結婚だったため、結婚後に起こった暴力や暴行を妻は実家に相談することも難しかったのかもしれません。

子どもが3人あり、ーーーこれは、世の中のDV夫が取る手法のひとつでもありますが、まるで子どもたちを人質にするかのように妻をからめ捕ります。妻への束縛、支配とコントロールを、ときには子どもを利用し、経済的な面を利用し、彼女の親族や友人たちともコンタクトを取らせないように仕向けて孤立させていきます。

彼の友人たちの前でも暴言暴行が行われることを、彼の友人や先輩が止めてくれたときは一時的に暴力が止み、その後、彼らの見えないところでよりエスカレートした暴力がふるわれかねません。その結果、被害者の妻は誰にも助けを求めることができなくなります。

私のところへご相談にいらっしゃるDV被害者も、「相談に来たことを夫に知られることはないか」と何度も問います。私が外に伝えることは絶対にありませんと強く約束して、ようやく彼女は心から安心できます。ご相談を行っている間は心から安心することができますが、帰宅してからの日常で起こる恐怖に向き合わなければなりません。彼女の恐怖心と彼女が守りたいとおもっている子ども、生活さまざまに対して丁寧に対応していくのが私の役目です。ときには警察にも一緒に足を運びます。

なぜなら、警察は家庭内に起こることに積極的な介入ができないためです。DV防止法が定められた後も同じです。被害者は、警察に相談し(相談をまともに受けてくれないと感じたときは、私や弁護士を同行して相談する)、まず巡回強化を望み、家の中で起こっていることを外に伝える努力をしなければなりません。被害者が努力しなければならないのは、とても切ないことです。ときには、心無い警察官や行政官の言葉に傷つき、頼ることすら恐ろしいとおっしゃる方もあります。

この殺人事件の加害者となった妻は、頼る人を持つこともできないまま、夫の暴力から逃れるためには、相手を殺すか自分を殺すしかないところまで追いつめられてしまったのではないでしょうか。殺害することを選択せざるをえなかった心情は理解しますが、残されたお子様のこと、今後の彼女の人生を考えると無念でなりません。
(この事件について伝えることのできる範囲は個人情報でもあるためかぎられており、ここにも書くことはできませんが、彼女がそこまで追いつめられたには、DV夫の十代からの素行の悪さ、結婚後に起こした事件等の背景もあります)

もしもDV被害を受けている方がいらっしゃったら、勇気を出して声をあげてください。「逃げる」ことは卑怯なことではありません(加害者から逃げることを卑怯だ卑劣だと刷り込まれているだけです)逃げる勇気は、その後生きるための勇気でもあります。

警察も児童相談所も、お定まりの対応をする場合があるかもしれませんが(いずれも組織が大きいため、誰が担当者になるかによって当たり外れがあることは否定できません)、彼らによって守ってもらうこともできます。彼らを動かすことはできます。長年継続するDV夫が変わってくれることを望むより、あなた自身が意思を持ち言葉を発することが大切です。私はその言葉を聴きます。
(画像はイメージです)

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